31番～40番

三十一番坂上是則さかのうえのこれのり

三十一番あさぼらけあ

朝あさぼらけ
ありあけの月つきと
見みるまでに

吉野よしのの里さとに
降ふれる白雪しらゆき

三十二番春道列樹はるみちのつらき

三十二番やまが

山川やまがはに
風かぜのかけたる
しがらみは

流ながれもあへぬ
紅葉もみぢなりけり

三十三番紀友則きのとものり

三十三番ひさ

ひさかたの
光ひかりのどけき
春はるの日ひに

しづ心ごころなく
花はなの散ちるらむ

三十四番藤原興風ふじわらのおきかぜ

三十四番たれ

誰たれをかも
知しる人ひとにせむ
高砂たかさごの

松まつも昔むかしの
友ともならなくに

三十五番紀貫之きのつらゆき

三十五番ひとは

人ひとはいさ
心こころも知しらず
ふるさとは

花はなぞ昔むかしの
香かに匂にほひける

三十六番清原深養父きよはらのふかやぶ

三十六番なつ

夏なつの夜よは
まだ宵よひながら
明あけぬるを

雲くものいづこに
月つきやどるらむ

三十七番文屋朝康ふんやのあさやす

三十七番しら

白露しらつゆに
風かぜの吹ふきしく
秋あきの野のは

つらぬきとめぬ
玉たまぞ散ちりける

三十八番右近うこん

三十八番わすら

忘わすらるる
身みをば思おもはず
誓ちかひてし

人ひとのいのちの
惜をしくもあるかな

三十九番参議等さんぎひとし

三十九番あさぢ

浅茅生あさぢふの
小野をのの篠原しのはら
しのぶれど

あまりてなどか
人ひとの恋こひしき

四十番平兼盛たいらのかねもり

四十番しの

しのぶれど
色いろに出いでにけり
わが恋こひは

物ものや思おもふと
人ひとの問とふまで

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31番～40番

三十一番 坂上是則さかのうえのこれのり

三十二番 春道列樹はるみちのつらき

三十三番 紀友則きのとものり

三十四番 藤原興風ふじわらのおきかぜ

三十五番 紀貫之きのつらゆき

三十六番 清原深養父きよはらのふかやぶ

三十七番 文屋朝康ふんやのあさやす

三十八番 右近うこん

三十九番 参議等さんぎひとし

四十番 平兼盛たいらのかねもり